株券を発行する旨の定款の定め廃止

株券を発行する旨を定款に定めている場合、原則として、株券を発行することになります。

しかし、株券を発行している会社は、そのために何らかの会社法上の手続きを行うたびに公告が必要となったり、管理費用もかかってきます。

そこで、株券を発行する旨を廃止する定款変更を行い、株券を発行しない会社に変更するということがよく行われます。

株券を発行する旨を廃止する場合の手続きは以下のようになります。
①株主総会にて、株券を発行する旨の定款の定めを廃止する決議をします。(特別決議)

②総会で定めた効力発生日の2週間前までに、株券を発行する旨の定款の定めを廃止する旨を公告します。
このときの公告内容は以下の通りです。
1.株券を発行する旨の定款の定めを廃止する旨
2.効力発生日
3.前号の日に株券が無効になる旨

③公告に加えて、株主及び登録質権者に、各別に通知が必要です。(公告または通知ではありません)

④そのうえで、効力発生日から2週間以内に株券を発行する旨の定めを廃止する変更登記を申請します。

なお、株券発行会社でありながら株式の全部について株券を発行していない会社は、株券を廃止する旨を公告または通知すれば足りるとされており、この場合、登記申請の際に、「公告をしたことを証する書面」ではなく、「株券を発行していないことを証する書面」を添付することになります。

登記申請の際に添付書類
〇公告を行う必要がある場合
1.株主総会議事録
2.株券廃止公告をしたことを証する書面
3.株主リスト

〇公告を行わない場合
1.株主総会議事録
2.株式の全部について株券を発行していないことを証する書面 (株主名簿)
3.株主リスト

商業登記法63条
株券を発行する旨の定款の定めの廃止による変更の登記の申請書には、会社法第218条第1項の規定による公告をしたことを証する書面又は株式の全部について株券を発行していないことを証する書面を添付しなければならない。

当事務所では、定款の変更についてのご相談を受けつけております。お気軽にご相談ください。

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