公告をする方法

会社法では、会社がいくつかの手続きを行う場合に公告をすることを義務づけています。

たとえば、会社が合併する場合に行う債権者保護手続きは、公告をすることによって、実施されます。また、定款に基準日を定めていない場合は、基準日を公告する必要があります。会社法は、その他にも多くの手続きの際に、公告を義務づけています。

また、株式会社に限ってのことですが、毎年、決算公告(定時株主総会で承認された計算書類を公告すること)も必要です。株式会社に限ってのことと書きましたように、有限会社や合同会社では、法律上、決算公告は必要とされていません。

その「会社の公告方法」については、会社法939条には次のように定められています。

会社は、公告方法として次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。

1 官報に掲載する方法

2 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法

3 電子公告

なお、定款に公告する方法の定めをしていない会社は、官報に掲載する方法により公告するものとされています。つまり、必ずこの3つの中のどれかになるということです。

1の官報とは、国が発行している機関紙です。この官報には、新たに交付された法令が掲載されたり、会社の公告が掲載されたりします。官報に掲載する際の費用はこちら

2の時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法とは、日刊の新聞紙に掲載して公告することをいいます。これは、全国紙でなくてもかまいません。地方紙でもいいとされています。

全国紙にて公告をする場合に、定款であらかじめ定めておけば地域を絞って掲載することも可能です。定款で地域を絞っていないにもかかわらず、全国紙の一部地域だけに限定して掲載することは許されません。

特定地域でのみ営業している会社が、定款で全国紙の地域を絞ることを忘れて、全国紙の全地域に公告しなければならないとなると大変な無駄です。

3の電子公告とは、ホームページ上に公告内容を掲載することをいいます。この公告方法が最も安価なように思われますが、以下のような規定があるため、必ずしもそうとはいえないです。

会社法941条には、「電子公告により公告しようとする会社は、公告期間中、当該公告の内容である情報が不特定多数の者が提供を受ける状態に置かれているかどうかについて、法務省令で定めるところにより、法務大臣の登録を受けた者に対し、調査を行うことを求めなければならない。」とあります。

公告には、2週間や1か月間など、期間が定められていますが、電子公告の場合は、その間、継続して電子公告による公告をしなければならないとされていて、それが実施されたかどうかを調査機関に調べてもらい、結果報告を受けなければならないということです

そして、当該会社が行った一定の手続きに関する登記申請の際に、「公告がされたことを証する書面」として調査機関の調査報告書を法務局に提出しなければなりません。この調査してもらうのにも当然ながら費用がかかります。少なくとも、一度の電子公告の調査費用で、10万円以上かかることが多いように思います。

ただし、この電子公告調査機関による調査はすべての公告に必要というわけではありません。

たとえば決算公告に関しては、調査機関による調査は必要ないとされています。決算公告は毎年のことなので、もし、毎年のように調査機関に調査をしてもらっていたら、費用もバカになりませんからね。

また、会社法では、決算公告だけに限って電子公告を行い、他の公告は官報や日刊新聞紙に掲載することも可能とされています。

決算公告以外の公告は小規模の株式会社ではめったに行うものではないため、それらは官報等によることとし、決算公告だけは電子公告にすることによって、法令を遵守することができ、費用も少なくおさえられるように思います。

また、あらかじめ定款に必要な基準日を定めておき、基準日公告の機会を減らすようにすれば、公告の費用もおさえられるかもしれません。

また、頻繁に公告が必要な定款変更を繰り返さないためにも、最初の定款作成に深く考えをめぐらすことも重要だと思います。

いずれにしても、今後、会社でどのような手続きを必要とすることになるのか、よく考えられ「公告をする方法」を決められたらよいと思います。

定款の変更や法人登記については、当事務所にご相談ください。


前の記事

定時株主総会

次の記事

募集株式の発行