不動産を贈与する理由

当事務所では、不動産の贈与の登記についてよく相談を受けます。

それぞれのお客様ごとに違った理由があって不動産の贈与を考えられるようです。

幾つか不動産を贈与する理由をあげてみましょう。

1.不動産の管理ができないから隣の人に贈与する。

遠方に住んでいるなどの理由で不動産を適切に管理できず、周辺の住民に迷惑をかけてしまうことがあります。

たとえば、草刈りをしていなかったために病害虫が発生したり、剥がれ落ちた壁の一部が通行人に当たって怪我をさせるなど迷惑です。

その損害の責任は誰が負うのでしょうか。もちろん所有者です。また、所有者が亡くなっていたら相続人が責任を負わなければなりません。

そのようなことを避けるため管理できない不動産は早々に売却したいものですが、売ろうとしても売れない場合もあるでしょう。

そんな場合、隣の人に贈与をしようと考えられる方があります

2.息子が家を建てるので息子に土地を贈与する。

このような理由で、親が子に不動産を贈与することはよくあります。

将来の相続対策にもなりますし、相続時精算課税制度を利用することによって税金を抑えることができる場合もあるでしょう。

ただし、相続により不動産の名義変更をする場合より、贈与によって名義変更をする方が、それに伴う税金や費用が多くかかる傾向にあります。

自分の子供に不動産を贈与する場合は、贈与する理由が明確であるべきだと考えます。

3.相続争いで妻が困らないように贈与しておく。

夫の相続財産が自宅不動産しかないのに、相続人はその妻と夫の兄弟だけという場合があります。

このようなときに何も対処しておかないと、妻が夫の兄弟から相続財産の分与を請求されて自宅を売却しなければならないということも考えられます。

これを避けるには、夫が「妻に不動産を相続させる」旨の遺言を残しておくか、生前に不動産を贈与しておく必要があると思われます。

遺言を残しておけば、夫の兄弟には遺留分請求権がありませんから、妻が自宅を失うようなことはありません。

また、贈与しておけば、同じく安心です。

税制は、配偶者に居住用不動産を贈与しやすくなっています。

婚姻期間が20年以上の夫婦間で居住用不動産の贈与がされた場合、2,000万円までの居住用不動産ならば、贈与税の配偶者控除の特例を使うことにより贈与税が発生しません。(申告が必要です。)

また、以前は、妻に不動産を贈与して夫が死亡した場合、贈与を受けた配偶者は特別受益者(遺産の先渡しを受けた者)として相続時財産の取得割合が縮小されることがありましたが、法改正(2019年7月1日施行)により、他方配偶者に居住用不動産を贈与した場合、その不動産を遺産の先渡しを受けたものと取り扱う必要がなくなりました。

今後、自分が亡きあとの配偶者の生活の安定を図るために、贈与を考えられる方が増えていくのではないでしょうか。

不動産の贈与にかかる税金

不動産の贈与にかかる税金がいくつかありますので、見てみたいと思います。宅地の場合で考えてみます。

➀所有権移転登記の登録免許税

固定資産税評価額×0.02

例)1000万円の土地であれば登録免許税は20万円

➁不動産取得税

固定資産税評価額×0.5×0.03

例)1000万円の土地であれば、不動産取得税は15万円

➂贈与税

(相続税評価額-110万円)×税率-控除額  (累進課税です)

例)評価額1000万円の宅地を30歳の子に贈与する場合は、177万円

➀や➁の納税は避けられないものの、➂の贈与税については、贈与税の配偶者控除相続時精算課税制度の適用を申し出ることにより、贈与税が課税されない場合があります。

まとめ

不動産の贈与は、家族の状態、贈与の必要性、費用など様々なことを考えて、実行するかしないかを判断する必要があると思います。

まずは、当事務所にご相談ください。詳しくお話をきかせていただきます。

その際に「権利書」や「固定資産税の納税通知書」があればスムーズに見積もりをすることができます。

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