不動産を贈与する理由

当事務所では、不動産の贈与についてよく相談を受けますが、お客様ごとにさまざまな理由があって不動産の贈与を考えられるようです。

1.子が家を建てるので息子に土地を贈与する。

親が元気で親子仲がよい場合は、敷地は親のもので、建物は子供のものであっても問題はないでしょう。しかし、やがて親に相続が発生し、共同相続人間で遺産分割で揉めるようなことがあればどうでしょうか。建物を所有している子の生活基盤が脅かされることにもなりかねません。そのような将来を心配し、子への土地の贈与を考える人もあります。

親から子への贈与は、相続時精算課税制度を利用することにより、親から子への財産移転に対する課税を抑えることができる場合もあります。※必ずしもそうではありません。

親から子への生前贈与はさまざまな利点が考えられますが、安易な贈与が将来の相続問題を引き起こす火種にもなりかねないため、十分に検討し、心配ならば、贈与とあわせて遺言をしておくなどの対策もしておいた方がよいでしょう。

2.相続争いで妻が困らないように贈与しておく。

たとえば、夫婦に子供がなく、妻には兄弟がいないが、夫には兄弟がいるような場合を考えてみましょう。この場合、夫が妻よりも先に死亡すると夫の兄弟たちにも相続分があるため、妻が夫の兄弟から遺産を要求される可能性があります。

ところが、夫の相続財産は自宅しかなく、妻に金銭的余裕がないような場合は、兄弟に分ける金銭を捻出するために自宅を売却せざるをえないという状況に陥ってしまいます。

そこで、夫が自分亡きあとの妻の生活を考えるならば、「夫が妻に自宅不動産を生前贈与する」か「妻に全財産を相続させる旨の遺言する」必要があると思われます。

生前贈与や遺言をしておけば、遺留分を持たない夫の兄弟は、生前贈与や遺言の内容について何ら異議を唱えることができないからです。

(ただし、夫から妻への生前贈与は特別受益とみなされますので、夫婦の婚姻期間が20年に満たない場合、当該贈与について持戻免除について考えておいたほうがよい場合もあります。)

また、税制は、配偶者に居住用不動産を贈与しやすくなっています。

婚姻期間が20年以上の夫婦間で居住用不動産の贈与がされた場合、2,000万円までの居住用不動産ならば、贈与税の配偶者控除の特例を利用することにより贈与税が発生しません。(申告が必要です。)

世の中にはどうしても回避できない問題もありますが、事前の準備によって回避できる問題もあります。まずは、ご相談ください。

不動産の贈与にかかる税金

不動産の贈与にかかる税金がいくつかありますので、見てみたいと思います。宅地の場合で考えてみます。

➀所有権移転登記の登録免許税

登録免許税とは、登記申請の際に国に納める税金です。

固定資産税評価額×20/1000

例)1000万円の土地であれば登録免許税は20万円

➁不動産取得税

固定資産税評価額×0.5×0.03

例)1000万円の土地であれば、不動産取得税は15万円

➂贈与税

(相続税評価額-110万円)×税率-控除額  (税率は累進課税です。また誰に贈与するかによっても変わってきます。)

例)評価額1000万円の宅地を30歳の子に贈与する場合は、177万円

➀や➁の納税は避けられないものの、➂の贈与税については、身内への贈与ならば贈与税の配偶者控除相続時精算課税制度の適用を申し出ることにより、贈与税が課税されない場合があります。

いずれにしても、不動産の贈与は、家族の将来、贈与の必要性、費用など様々なことを考えて、実行するかしないかを判断する必要があります。

贈与の登記の司法書士報酬、費用

当事務所では、贈与の登記申請に以下のように報酬、実費がかかります。

報酬、実費の項目金額
登記情報の調査(不動産1個)850円
贈与契約書の作成(1通)10000円~
所有権移転登記申請(1件)35000円~
登記事項証明書取得(1通)500円
評価通知書取得(1通)1000円
登録免許税評価額の1000分の20

不動産の登記情報を調査した結果、贈与の登記の前提として、登記名義人住所変更登記や相続登記が必要となる場合もあります。詳しくお見積りしますので、ご相談の際は、固定資産税の納税通知書をご持参ください。

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