不動産を贈与する理由

当事務所では、不動産の贈与についてよく相談を受けます。

それぞれのお客様ごとに違った理由があって不動産の贈与を考えられるようです。

1.子が家を建てるので息子に土地を贈与する。

このような理由で、親が子に不動産を贈与することはよくあるのではないでしょうか。

子への贈与は、将来の相続対策にもなりますし、相続時精算課税制度を利用することによって贈与税を抑えることができる場合もあります。

そうはいっても、税金がまったくなくなるわけではありませんし、贈与による不動産取得は、相続によって不動産を承継する場合よりも費用や税金が多くかかる傾向にあります。

相続を待たず、子供に不動産を贈与しようとされる場合は、贈与する理由が明確であるべきだと考えます。

2.相続争いで妻が困らないように贈与しておく。

夫の相続財産が自宅不動産しかないのに、相続人はその妻と夫の兄弟だけという場合があります。

このようなときに何も対処しておかないと、妻が夫の兄弟から相続財産の分配を請求されて自宅を売却しなければならないということも考えられます。

これを避けるには、夫が「妻に不動産を相続させる」旨の遺言を残しておくか、生前に不動産を贈与しておく必要があると思われます。

遺言を残しておけば、夫の兄弟には遺留分請求権がありませんから、妻が自宅を失うようなことはありません。

また、贈与しておけば、同じく安心です。

税制は、配偶者に居住用不動産を贈与しやすくなっています。

婚姻期間が20年以上の夫婦間で居住用不動産の贈与がされた場合、2,000万円までの居住用不動産ならば、贈与税の配偶者控除の特例を使うことにより贈与税が発生しません。(申告が必要です。)

また、以前は、妻に不動産を贈与して夫が死亡した場合、贈与を受けた配偶者は特別受益者(遺産の先渡しを受けた者)として相続時財産の取得割合が縮小されることがありましたが、法改正(2019年7月1日施行)により、他方配偶者に居住用不動産を贈与した場合、その不動産を遺産の先渡しを受けたものとして取り扱う必要がなくなりました。

今後、自分が亡きあとの配偶者の生活の安定を図るために、贈与を考えられる方が増えていくのではないでしょうか。

不動産の贈与にかかる税金

不動産の贈与にかかる税金がいくつかありますので、見てみたいと思います。宅地の場合で考えてみます。

➀所有権移転登記の登録免許税

登録免許税とは、登記申請の際に国に納める税金です。

固定資産税評価額×0.02

例)1000万円の土地であれば登録免許税は20万円

➁不動産取得税

固定資産税評価額×0.5×0.03

例)1000万円の土地であれば、不動産取得税は15万円

➂贈与税

(相続税評価額-110万円)×税率-控除額  (税率は累進課税です。誰に贈与するかによっても変わってきます。)

例)評価額1000万円の宅地を30歳の子に贈与する場合は、177万円

➀や➁の納税は避けられないものの、➂の贈与税については、身内への贈与ならば贈与税の配偶者控除相続時精算課税制度の適用を申し出ることにより、贈与税が課税されない場合があります。

いずれにしても、不動産の贈与は、家族の将来、贈与の必要性、費用など様々なことを考えて、実行するかしないかを判断する必要があります。

贈与の登記の司法書士報酬、費用

当事務所では、贈与の登記申請に以下のように報酬、実費がかかります。

報酬、実費の項目金額
登記情報の調査(1件)850円
贈与契約書の作成(1通)5000円~
所有権移転登記申請(1件)30000円~(
登記事項証明書取得(1通)980円
評価通知書取得(1通)1000円
登録免許税評価額の0.2%

不動産の登記情報を調査した結果、贈与の登記の前提として、登記名義人住所変更登記や相続登記が必要となる場合もあります。詳しくお見積り致しますので、ご相談の際は「権利書」や「固定資産税の納税通知書」をご持参ください。

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